地域に挑戦と応援の循環を生み出す中間支援体制構築プログラム

チャレンジプロデュースのための地域おこし協力隊制度の活用支援

本プログラムは、地域おこし協力隊制度を活用して地域内に起業支援の仕組みを育て、地域課題の解決や新たな産業の創出につなげることを目的としています。対象は中間支援の初心者と自治体職員であり、制度理解から始まり、実践的な伴走支援の技術、制度としての定着支援までを3年間・年6回の研修と実地支援を通じて学び・実装します。

地域おこし協力隊の「起業型枠」を活用し、地域に根ざした事業を立ち上げる起業家を外部から受け入れるだけでなく、地域全体で支える文化や仕組みも同時に整備していきます。そのために必要なのは、行政職員と中間支援者の連携、地域住民の巻き込み、そして起業者を支援するネットワークの構築です。

このプログラムでは、各地域の状況に応じて、制度の設計・広報・起業家候補者の発掘と選考・事業プランのブラッシュアップ・マーケットテスト・自立化支援などを段階的に支援します。事業化に向けてのプロセスは、北海道厚真町や鹿児島県錦江町などの先進事例をモデルとしながら、自地域への最適化を図っていきます。

また、単なる研修で終わらせず、受講団体が主体となって「地域に制度として定着する起業支援モデル」を構築することをゴールとしています。3年間の終了後には、外部からの支援がなくとも、自前で起業家を支援・育成・輩出できる状態を目指します。

🔶最終ビジョン

挑戦と応援が循環する地域へ。地域ぐるみで起業家を育て、支える文化と仕組みを育む。

🔶ゴールイメージ(3年間の到達点)

3年間のプログラムを通じて、地域には「協力隊制度を活用した起業支援モデル」が制度として定着し、行政・中間支援者・住民が一体となって起業家を迎え入れ、育て、共に活動する文化が生まれます。起業家は単なる「移住者」ではなく、「地域の仲間」として信頼され、卒業後も地域に根ざして事業を続けられる体制が整います。行政職員と中間支援者は、起業希望者の募集から伴走、卒業後の自立支援までを一貫して担えるスキルを習得し、支援の仕組みを自走できる状態になります。さらに、卒業生起業家が次世代起業者のメンターとして参画する支援の連鎖が生まれ、地域に新たな挑戦のエコシステムが構築されます。

  • 制度としての定着:起業型協力隊の受け入れ体制が仕組み化
  • 支援の自走化:自治体・中間支援者が自前で伴走支援を担う
  • 挑戦の文化形成:地域全体で挑戦を歓迎し支える風土が生まれる
  • 支援の循環構築:卒業生が次世代起業者を育てる支援サイクルが機能

🔷支援スケジュール(年間6回 × 3年間)

🟡1年目|準備・基盤構築期

目標
起業型地域おこし協力隊制度を導入し、地域課題に応じた起業テーマを設計。起業希望者にどのようなチャレンジを促すのか、その方向性を明確にし、広報・募集・選考を通じて起業希望者を受け入れ、地域との関係づくりと初期プランの試行を支援。支援者や自治体職員は、協力隊員の「事業立ち上げ前の伴走者」としての関わり方を学び、支援体制の構築と実践を重ねる。

  • 起業希望者の公募・選考プロセスが完了し、起業型地域おこし協力隊員が地域に着任している
  • 協力隊員が地域住民・関係者と信頼関係を築きながら、事業仮説を立てて小さく試すプロセスを開始している
  • 試作イベントやテストサービスの実施を通じて、地域から初期のフィードバックを獲得している
  • 中間支援者や自治体職員が、事業計画のブラッシュアップや仮説検証の伴走支援を実践できている
  • 起業者と行政職員、地元住民、先輩起業家などによるゆるやかな支援ネットワークが形成され始めている
テーマ実施内容
第1回制度理解と戦略設計起業支援型地域おこし協力隊制度の理解と活用戦略の立案。自治体・支援者で役割分担の設計。
第2回募集・広報設計地域ニーズを踏まえた起業テーマ設計、LVS案内・募集要項策定、現地ツアー準備。
第3回LVS企画と選考実施合宿型ビジネスプラン研修(LVS)の設計と実施、起業希望者の選考支援。
第4回起業準備の伴走支援選考通過者との関係構築、事業計画ブラッシュアップ、地域資源調査。
第5回試行の設計と実践小規模実証(試作品・イベント等)と地域からのフィードバック取得支援。
第6回支援体制・関係性構築地域メンターや住民との関係構築、定期対話・協力体制の構築支援。

🟠2年目|展開・共創拡大期

起業者が事業を本格始動し、仮説検証や市場接点づくりを進めながら収益化を目指す期間。行政や地域団体との協働で事業の社会的意義を高め、地域内の認知と信頼を獲得する。支援者や職員は、事業を「支える立場」から、「地域とつなげるファシリテーター」としての役割を担い、起業者がより主体的に行動できるよう後方支援に回っていく。

  • 協力隊起業者が実際にサービス・商品を提供し始め、売上や利用者が発生している(小規模でも可)
  • 仮説検証を重ねながら、顧客の声を取り入れて事業モデルが洗練されている
  • 起業者が行政施策や地元団体と連携した協働プロジェクトを展開し、地域内での認知と信頼が高まっている
  • 中間支援者・自治体職員が、伴走支援に加えて地域資源や施策とのマッチングを主導できている
  • 起業者同士やOB・OGとの相互支援ネットワーク(ピアコミュニティ)が立ち上がっている
テーマ実施内容
第1回事業立ち上げ支援収支シミュレーション、初期オペレーション設計、開始スケジュール策定。
第2回中間レビュー・ピボット判断事業進捗の定期レビュー、方向転換判断の支援法と実践。
第3回市場接点の創出顧客接点づくり、試作品販売やサービス提供支援、マーケティング基礎研修。
第4回協働・コラボ促進地元団体・行政施策と起業テーマをつなぐ協働プロジェクト設計。
第5回成果の見える化中間報告会の企画・実施、事業の評価と発信、住民からの意見取得。
第6回次年度への準備次年度の協力隊募集設計、LVS再構築、既存起業者との接点設計。

🔵3年目|仕上げ・移行期

目標:
協力隊員が地域に根ざした起業家として自立するための支援を行う最終フェーズ。法人化や資金確保を支え、地域との関係も強化する。支援体制の制度化を図り、起業支援を文化として定着させ、次世代への継承を視野に入れる。支援者や行政職員は、事業の卒業と次世代への継承に向けて、起業者の最終支援を行うとともに、制度設計や文化づくりの担い手として機能する。

  • 起業者が協力隊任期終了後も継続できる事業モデルを確立し、法人化や資金調達に向けた準備が整っている
  • 安定的な売上や顧客層の形成が進み、地域に根ざした存在としての信頼を得ている
  • 協力隊卒業後の支援制度(起業枠の恒常化、地域OBの活用など)が行政内で制度化され始めている
  • 起業者が後進の育成や地域活動に参加し、次の挑戦者を支える立場へと移行している
  • 中間支援者と自治体職員が、外部の専門家に頼らずとも地域単独で支援体制を維持できる状態にある
テーマ実施内容
第1回経営基盤の最終整備資金計画、法人化、登記・補助金申請支援、金融機関等との接続支援。
第2回制度化・継続体制の構築行政側の制度・予算化、協力隊枠の恒常化に向けた提案・整備支援。
第3回地域メンターの育成起業者OBの育成と参画、支援の担い手育成と後継支援体制づくり。
第4回地域起業家ネットワーク支援情報交換会・OB/OGコミュニティ構築、自主的な互助支援の促進。
第5回成果の共有と発信成果発表会・報告書作成、地域内外への発信、外部評価導入支援。
第6回卒業と次世代への継承次年度起業者との交流・引き継ぎ、次世代への「挑戦のバトン」継承設計。

🔷本プログラムの特徴

🧭 段階的な支援設計により、初心者でも着実に実行できる

このプログラムは、3年間・年6回というスケジュールにより、制度理解から支援体制構築、事業伴走、制度定着までを段階的に学び・実践できます。
中間支援初心者や自治体担当者にとっても、各フェーズで必要な視点・手法が明確に整理されているため、無理なく導入・運用することが可能です。

🧠 地域の関係資源を活かし、制度から文化へと育てる設計

単に起業希望者を受け入れる制度ではなく、地域住民、既存事業者、行政職員、OB起業者などが関わる「地域ぐるみの支援文化」の醸成を重視しています。
制度活用 → 起業実践 → 支援循環の仕組み化、というステップを通じて、地域の挑戦を支える文化と生態系が築かれていきます。

🔁 起業支援スキームの自走化と、次世代への継承までを支援

最終的には、行政や中間支援者が、外部支援に頼らずに「起業支援の募集・選考・伴走・制度化」までを自走できる状態を目指します。
卒業した起業者がメンターや協力者として次世代支援に関わる設計により、支援の連鎖が自然と生まれ、地域に持続的なチャレンジの循環が根づきます。

🔶対象自治体・導入を検討される方へ

  • 地域資源や課題を活かした「新しい産業の芽」を育てたい自治体
    地元の資源・文化・人材を活かして、地域ならではのビジネスを創出したい自治体に最適です。観光、農業、林業、福祉など地域密着型の分野で、事業化の可能性を模索している自治体に向いています。
  • 協力隊制度を活用した人材誘致を「定着・自立」まで支援したい自治体
    単なる人材受け入れにとどまらず、「地域に根ざす起業家」として自立・定着まで見届けたいと考えている自治体におすすめです。任期後も地域で活躍してもらうための仕組みづくりを重視している場合に効果的です。
  • 中間支援組織や職員の支援スキルを高めたい、または支援体制を立ち上げたい自治体
    起業支援の経験が浅い自治体や、支援体制がまだ整っていない地域でも、本プログラムは段階的に学び・実践できる構成になっているため、これから体制を築きたい自治体にとって導入しやすい内容となっています。

「うちの町・村でもやってみたい」と思われたら、まずはご相談ください。
ご希望の課題・規模に応じて、カスタマイズ提案いたします。